CT
当院では、CT(Computed Tomography)を使った画像検査を行っています。そもそもCTとは、X線を用いて体の周囲を1回転させながら連続撮影する装置なのですが、これを装置内でコンピュータ処理することで身体内部をまるで輪切りにしたかのような画像が見られるようになるというものです。これによって、単純レントゲンやエコー検査ではハッキリ見つけることが困難な病変を的確に把握、評価できるようになりました。
使用するCTにつきましては、CANON製16列マルチスライスCTで2021年導入の新型機となります。これは短時間で多くの断面を撮影できる装置(多相撮影)なのですが、さらに血管造影剤を併用していくことで、CT検査の利用価値は飛躍的に高まります。
CT検査で診断できること
CT検査によって、すべての病気を診断できるわけではありませんが、情報量は格段に増えます。腫瘍局所での広がり状態、遠隔転移の確認もできます。結果として無駄な手術を避けることが出来ますし、何が最適な治療であるかの判断をするためにとても有益な検査といえます。X線撮影や超音波検査では診断をつけるのが難しいとされる頭頚部腫瘍、胸腔内病変や大型犬の腹腔内評価、交通事故などで多発外傷を負った際の全身評価にも有用です。
また、門脈シャントをはじめとする血管走行の異常を伴う病態で3Dグラフィックスを構成することにより、より客観的に診断が可能となります。整形外科領域においても骨の捻じれや変形は3D合成が有益であり、より安心な手術計画の作成に大いに役立っています。
さらに当院は、獣医画像診断専門医グループ(株式会社スカイベッツ)と提携しています。撮影した画像は院内で評価するのみならず、3日以内に専門医読影レポートとして飼主様にお渡しします。これら取り組みにより、迅速かつ正確に診断していく体制を整えております。
他院からの検査依頼もお受けしますのでご希望の方はご相談ください。
麻酔について
CT検査には全身麻酔が必要です。検査前に体調評価、リスク分類のため、血液検査、X線撮影などをする必要があります。直近2週間以内のデータをご持参いただけるとスムーズです。また、可能であればかかりつけ医からの紹介状があるとより安全に検査可能となります。
またCT検査前は12時間の絶食をお願いしています。飲水制限は原則必要ありません。このほか造影剤を使用してCT検査を行う場合は、可能性としては少ないですが、造影剤ショックなどの重篤なアレルギー反応、様々な程度の心拍、血圧の低下、覚醒後の吐き気などの副反応が出ることもあります。検査終了後は数時間点滴を行い当日退院となります。いずれにしましてもCT検査が決まった時点で、獣医師から飼い主様に同検査を行うにあたっての注意点を説明していきます。
他の動物病院様の検査もお受けします。
CT検査につきましては、他の動物病院様からのご紹介も受け入れております。CT検査による診断が必要と考えている獣医師様は下記検査依頼フォームに必要事項を記入いただき当院までFAX頂けるスムーズです。撮影後は紹介医様にも読影レポートをお送りします。お問い合わせだけでもかまいませんので、お気軽にご連絡ください。